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STORY | 職員準備室とは

学校に足りなかった、もう一つの部屋。

理科室には、理科準備室があります。
音楽室には、音楽準備室があります。

子どもたちの学びをより良くするために、学校には、いくつもの「準備室」が用意されてきました。

けれど、先生たちが毎日を過ごす職員室には——
それを支えるための「準備室」が、どこにもありませんでした。

誰もいなくなった職員室で、ひとり、明日の準備を続ける先生がいます。

休日に出勤しても、その分の対価はつきません。それでも、子どもたちのために机に向かう。

それを支えていたのは、仕組みではなく、
ひとりひとりの使命感でした。

世の中の目は、決してやさしくありません。ニュースで取り上げられるのは、たいてい不祥事や失敗ばかり。「子どものために」という言葉はあふれていても、「先生のために」という言葉は、驚くほど見かけません。

働き方改革の名のもとに、現場に人が増えたこともありました。支援員、外部人材……。けれど、それだけでは、十分ではなかったのかもしれません。

人が増えれば、報告も、連絡も、相談も増えます。子どもに関わる以上、引き継ぎや連携は欠かせないからです。結果として、正規の先生たちが、かえって忙しくなってしまうことさえありました。

現場が本当に求めていたのは、人を増やすことだけでなく、
先生たちだけで、無理なく回せる仕組みだったのではないでしょうか。

がんばっても、力を抜いても、給料は変わりません。それどころか、新しい仕組みを提案すればするほど、その仕事を背負うことになるのは、提案した本人です。返ってくるのは、正当な対価ではなく、「やりがい」という言葉だけ。

そんな空気の中で、働き方を変えていくのは、簡単なことではありません。

「働き方改革」を掲げる発信も、少しずつ増えてきました。定時に帰るための工夫や、ノウハウ。どれも参考になるものばかりです。

けれど、全体を見渡したとき、一部の人に負担が集中してしまう構造そのものは、まだ、あまり変わっていないようにも見えます。

本当に必要なのは、仕事を減らす工夫だけではなく、
仕事の質そのものを、根本から変えていく仕組みです。

それは、一人の先生のがんばりだけで、実現できることではありません。

私たちは、教員ではありません。

けれど、たくさんの先生たちの声に、時間をかけて、耳を傾けてきました。

現場にいるからこそ見えるものがあるように、現場の外にいるからこそ、見えるものもあると思っています。

だからこそ、私たちに届けられるものがあるはずです。

本当に便利なものは、使われることで、自然に広がっていきます。私たちは、その「本当に便利なもの」を、外側から、届け続けたいと考えています。

その最初のかたちが、ひとつのウェブアプリです。

パソコンを立ち上げなくても。すきま時間で、少しずつ。特別な研修も、複雑な設定も、いりません。

明日から、そのまま現場で使えるものにしたい。それだけを考えて、つくっています。

まだ、生まれたばかりの、小さな準備室です。けれど、先生たちの声を聞きながら、少しずつ、大きくしていきます。

これは、職員室にもう一つ増える、
先生たちのための準備室でありたい。

私たちが目指しているのは、先生たちの毎日に、少しの余白をつくること。そしてその先で、子どもたちに、もっと良い教育が届くこと。

職員準備室は、そのための場所です。